2017 第1戦 決勝レポート

通常、1回の予選と2回の決勝が1日で行われるPorsche GT3 Cup Challenge Japan（GT3CC）。慌ただしく進むスケジュールのなか、今シーズンの行方を占う開幕戦が5月14日午後1時5分から行われた。スターティンググリッドには参加12台のマシンが並ぶが、ローリングスタートを採用するGT3CCでは、外側にある1番グリッドが空席となり、ポールポジションの#21 銘苅 翼がイン側2番グリッドからのスタートになる。

1周のフォーメーションラップののち、ローリングスタートが切られたレースは、#21 銘苅が上手く後続を従えてトップで1コーナーに入る。一方、2番手スタートの#32 大波 肇は、初めてのローリングスタートでタイミングを掴みきれず、3番手スタートの#5 仲尾恵史に先行を許してしまう。3番手にポジションダウンした#32 大波の背後には#77 MUSASHIが迫る。

オープニングラップを制した#21 銘苅は、落ち着いた走りで#5 仲尾との差をじわじわと広げていく。その後も1分45秒台という速いラップタイムを続け、トップのポジションを確実なものにしていった。そうなると注目は3位争い。#77 MUSASHIが前を走る#32 大波との差を詰め、テール・トゥ・ノーズのバトルが勃発。911 GT3 Cupには不慣れとはいえ、かつてF3を戦った#32 大波は巧みに#77 MUSASHIの行く手を阻み、たとえば5周目にはストレート上で並ばれるが、1コーナーでは#77 MUSASHIをきっちりと抑えている。しかし、同じ周回のダンロップコーナーで#77 MUSASHIの追撃に絶えきれず、3番手を明け渡してしまった。

その後は#77 MUSASHIが#32 大波との差を広げるが、2番手を行く#5 仲尾に追いつくにはいたらない。そして迎えたファイナルラップ、#21 銘苅が見事、ポール・トゥ・ウィンを飾った直後に波乱が起こった。ゴール目前で#5 仲尾が失速し、#77 MUSASHIが2番手、#32 大波が3番手でそれぞれチェッカードフラッグを受けたのだ。一方、ガス欠に見舞われた#5 仲尾は、惜しくも4位でレースを終えることになった。Cup IIは、総合12番手スタートの#50 須崎弘一郎が、Cup Iのマシン相手にバトルを演じ、総合9番手までポジションを上げている。

総合優勝 #21
銘苅 翼（カップクラス カテゴリーI）

予選に比べて、マシンのセッティングが良くなり、スターティンググリッドに向かう途中でもそれが感じられたほどです。あとはスタート後の1コーナーさえ上手く曲がれれば行けるなと思っていましたし、その後のラップも安定して走り切ることができました。開幕戦優勝という結果は第2戦への自信になります。この1戦だけでなく、シーズン通してパーフェクトなレースにしたいと思っています。

総合2位 #77
MUSASHI（カップクラス カテゴリーI）

前を走る仲尾選手が止まり、運良く2位でレースを終えることができました。もっと早く3位にポジションを上げていれば、2位争いに絡めたと思うと、少し悔しいですが（笑）　それでも、練習無しで今回のレースに臨んだことを考えると、まずまずの結果ですね。第2戦も頑張ります！

総合3位 #32
大波 肇（カップクラス カテゴリーI）

久しぶりのスプリントレース、しかも、ポルシェということで、エキサイティングなレースを楽しむことになりました。ただ、決勝に向けてマシンのセッティングを変えたら、これがハズレて、辛い展開になってしまいました。とくに100Rから300Rまでの区間が全然踏めなくて、中盤にダンロップコーナーでMUASHI選手に刺される展開に。ローリングスタートは初めてで、ギヤの選択や間合いなど、改善すべき点がまだまだあります。次のレースはそのあたりにも気をつけて頑張りたいと思います。

カップクラス カテゴリーII
優勝 #50 須崎弘一郎

Cup Iの皆さんと楽しくバトルできました。なんとか3つくらいポジションを上げたいと思っていたので、予定どおりです（笑）　ただ、予選で使ったユーズドタイヤを履いて出たので、残り4周くらいからはリヤがきつくなり、最後はひとつポジションを落としてしまいました。ラップタイムもあとコンマ5秒くらい速いと良いのですが。