2017 第3戦 決勝レポート

Porsche GT3 Cup Challenge Japan（GT3CC）第3戦の決勝レースが、6月24日15時50分から行われた。昼の予選とは打って変わり、富士スピードウェイの上空は雲に覆われ、いつ雨が降り出しても不思議ではない状況。それだけに、スターティンググリッドにレインタイヤを用意するチームも見られた。

幸い曇りのままフォーメーションラップがスタート。そして、ローリング方式で決勝の火蓋が切られた。ポールポジションからスタートの#21 銘苅 翼がまず1コーナーに飛び込み、これに2番手スタートの#32 大波 肇、3番手からの#23 舩井俊仁が続く。5番手スタートの#77 MUSASHIはポジションをひとつあげて4番手に。

ここから熾烈な2位争いが勃発。#32 大波と#23 舩井が早くもテール・トゥ・ノーズのバトルを始めたのだ。これで楽な展開になった#21 銘苅は1周終了時点で2位との差を3秒145とし、その後も独走態勢でトップの座を確実にしていく。一方の2位争いは、2周目の1コーナーで#23 舩井が#32 大波をかわして2位に浮上。もちろんそのまま引き下がる#32 大波ではなく、3周目のダンロップコーナーで#23 舩井に仕掛け、2位のポジションを取り戻した。しかし、首位の#21 銘苅との差はすでに10秒近くまで広がっており、#21 銘苅を捕らえるのは難しい状況となった。

3番手にポジションを落とした#23 舩井にはさらなる試練が待ち受けていた。2位争いを背後から見守っていた#77 MUSASHIが、ポジションダウンした#23 舩井の後ろから襲いかかる。4周目こそなんとか踏ん張った#23 舩井だが、5周目のコカコーラコーナーで#77 MUSASHIの先行を許してしまう。すると今度は5番手を走る#15 神取彦一郎が#23 舩井を執拗に追い詰める。「ずっと後ろばかり見ていて、本当に疲れました」とは#23 舩井。

ふたりのバトルはチェッカードフラッグを受けるまで続くのだが、3番手を走る#77 MUSASHIが7周目にスピンし、7番手まで後退。これにより、#23 舩井は3番手に浮上。「ストレートに戻り、残り何周というのを見るたびに早く終わってくれと思いました」という#23 舩井は、#15 神取をなんとか抑えきり、表彰台を獲得する。カップクラス カテゴリーIIは、総合7番手スタートの#50 須崎弘一郎が着実に周回を重ね、順位を維持したままゴールを迎えている。

総合優勝 #21
銘苅 翼（カップクラス カテゴリーI）

スタート直後の1コーナーまでは後ろに注意し、そのあとコカコーラコーナーからは前だけ見て、ほとんどミスなく10周を走りきることができました。前回よりも良い走りができたと思いますが、次の第4戦でもさらに良い走りを目指します。ここまでずっと1位で来ていますが、これ以上の順位はないので、あとは内容を良くしていきたいと思います。

総合2位 #32
大波 肇（カップクラス カテゴリーI）

スタートまでにタイヤを温めきれず、1コーナーで銘苅選手に牽制された際に行き場を失い、失速して3位に落ちてしまいました。タイヤが温まってきてからは自分のほうがペースが良かったのですが、すでに銘苅選手との差が大きく開いてしまい、レース後半で差を詰めるまでにはいたりませんでした。ただ、スタートを含めて、レースの組み立て方がわかってきたのは大きな収穫でした。

総合3位 #23
舩井俊仁（カップクラス カテゴリーI）

「本当に疲れました。1度2位に上がりましたが、前回と同じダンロップコーナーで大波選手に抜かれてしまいました。それからは後ろを抑えるのに必死でした。本当にしんどかったけど、なんとか3位でゴールできてうれしいです。決勝は予選で使ったタイヤで望みましたが、この状況で後続を抑えられたのは自信になりますね。ただ、後ろばかり気にしていたのでベストラップが伸びず、第4戦は5番手からのスタートになるのがちょっと辛いです。

カップクラス カテゴリーII
優勝 #50 須崎弘一郎

思ったとおりのペースで走ることができました。前のクルマからあまり離されなかったので、4台が絡む3位争いを特等席から見ることができました（笑）　第4戦は雨の予報ですが、カップカーを雨で走らせたことがないだけに、少し心配ですね。