2017 第4戦 決勝レポート

Porsche GT3 Cup Challenge Japan（GT3CC）第4戦の決勝レースが、6月25日9時45分から行われた。第4戦のスターティンググリッドは、前日に開催された第3戦のベストラップ順により決定される。ポールポジションはこれまで3連勝の#21 銘苅 翼で、以下、#32 大波 肇、#77 MUSASHIが続く。

この日の富士スピードウェイは、朝から小雨の降るあいにくの空模様。7台の911 GT3 Cupがスターティンググリッドに着くころには一時的に雨が上がったものの、依然コースコンディションはウェットということで、各マシンはレインタイヤでレースに臨む。

1周のフォーメーションラップ後、ローリング方式でスタートしたレースは、好スタートを決めた#32 大波が1コーナー入口で#21 銘苅のアウト側に並びかけるが、#21 銘苅がインを守り、辛うじて1コーナーを制する。しかし、ユーズドタイヤを履く#21 銘苅にニュータイヤで決勝に挑んだ#32 大波が速いペースで迫ってくる。#21 銘苅は巧みに#32 大波を抑えるが、2周目の1コーナーで膨らんだ隙に#32 大波がトップを奪う。

GT3CC参戦以来はじめてトップに立った#32 大波だが、その周の最終コーナーでバランスを崩し痛恨のスピン、5番手までポジションを落としてしまう。これで再び首位に返り咲いた#21 銘苅だが、今度は#15 神取彦一郎が背後から迫ってきた。ここから新たなトップ争いが始まるのだが、4周目の1コーナーで#15 神取がコースアウトしたことから一気に楽な展開となり、#21 銘苅はトップのポジションを確実にした。

一方、その後方では、#77 MUSASHI、#23 舩井俊仁、#15 神取、#32 大波の4名が2位争いを繰り広げるが、「早めのブレーキングで冷静に周回を重ねた」という#23 舩井がミスのない走りで2位を獲得。そして、速さで勝る#32 大波が7周目に#77 MUSASHを捕らえて、3位表彰台を獲得した。

カップクラス カテゴリーIIは、総合7番手スタートの#50 須崎弘一郎が、後半、1コーナーの進入時にタイヤにフラットスポットをつくりペースを落としたものの、着実な走りで完走している。

GT3CC第5-6戦は9月10日（日）にツインリンクもてぎで開催される。

総合優勝 #21
銘苅 翼（カップクラス カテゴリーI）

ドライ以上にウェットのタイヤマネージメントが難しいことを痛感しました。序盤、大波選手のペースが予想以上に速くて、少し動揺していたときに1コーナーをはみ出してしまい、トップを奪われてしまいました。しかし、そのあと気持ちを切り替えて冷静に走りはじめた矢先、大波選手がスピンし、楽な展開になりました。次のもてぎは得意とするコースだけに、富士以上の走りで勝ちたいと思います。

総合2位 #23
舩井俊仁（カップクラス カテゴリーI）

結構早めにブレーキを踏み、立ち上がり重視で確実に走りました。それでも途中、何度もブレーキロックしてコースアウトしかけましたが、なんとかコントロールできたのと、終始冷静に走り続けたことがこの結果につながったと思います。終わってみれば、とても楽しいレースでした。

総合3位 #32
大波 肇（カップクラス カテゴリーI）

1周目の最終コーナーでリヤが流れる場面があり、銘苅選手を抜いたあともドライビングがうまく修正しきれず、くるっと回ってしまいました。そこからは追い上げるのに必死で、プッシュし続けたせいで、残り2周の時点でタイヤを使い切ってしまったほどです。それでも、今回は銘苅選手とバトルができたし、他の選手を刺すこともできて、はじめてレースらしいレースができたかなと思います。

カップクラス カテゴリーII
優勝 #50 須崎弘一郎

初めてのウェットコンディションでしたが、クルマのバランスが良いので、さほど神経を使わずドライブできました。それで途中からペースを上げ、前を走るMUSASHI選手と神取選手に追いつこうとしていたら、ラスト3周というところで、自分のミスでタイヤにフラットスポットをつくってしまいました。そこからは完走めざして走り続けるという状況でしたが、雨のほうがカテゴリーIと絡めるので、次も雨になってほしいくらいです（笑）