MAGAZINE

Life with PORSCHE

あなたの知らない、ポルシェの話。

磨かれた個性に、
人は誘われる。

魯山人に学ぶ「山」の書き方。

学校で習ったまま書いた「山」という字と、自分で研究し、努力して書いた「山」という字があるとしよう。

どちらも「山」の字に変わりはなく「山」は「山」である。けれども、習ったとおり正しく書こうとした「山」には個性がなく、自ら挑んで書いた「山」にはちからがあり、きれいかどうかは別にして、人を惹きつける美しさに満ちている。

陶芸家の北大路魯山人がこんなふうに書いたことをずっと覚えている。

個性のあるものには、楽しさや尊さや美しさがあり、なにより味がある。さらなる成長もある。しかも、あわよくば型にはまろうとする自分の尻を蹴飛ばして、ぐっと引き上げてくれるちからがある。

ある日カイエンと出合った。第一印象は、まさにそんな「個性」であった。優れたスポーツカーであり、オフロードにもパフォーマンスをパワフルに発揮し、ゆったりと家族でドライブをくつろぐ居住性と実用を備えた、まさにポルシェ哲学という「個性」のまぶしさに目を細めた。

惚れないわけがなかった。

僕はカイエンという個性を、暮らしのパートナーとして迎えようと思った。そのパフォーマンスとクオリティと新しさを日々の栄養にして、自分という「個性」を磨きたいと思った。魯山人のように、「山」というたった一字にも挑んで書く自分でありたかった。

食器と料理は、どこまで行っても離れることのできない夫婦のような関係であるべきで、そのために、料理をする人は、食器のことをもっと学び、もっと惚れなければならないとも魯山人は言った。なるほど。クルマと人もそうかもしれない。いや、きっとそうだ。

僕はきっと、明日もカイエンに惚れるのだろう。

Words:松浦弥太郎 / Yataro Matsuura

Life with PORSCHE

ドキュメンタリー

Episode 2 「理想への道標」

二つ目のエピソードに登場するのは、全国にファッションセレクトショップを展開する、株式会社ナノ・ユニバース代表取締役で、ポルシェの長年のオーナーでもある濱田博人さんです。ポルシェは自分の理想に近づく自分を確認できる存在。そう話す濱田さんがポルシェに乗り続ける理由とは…。

STORYTELLER

松浦弥太郎 / Yataro Matsuura
「くらしのきほん」主宰 / 文筆家
2005年から「暮しの手帖」編集長を9年間務め、2015年7月にウェブメディア「くらしのきほん」を立ち上げる。2017年、(株)おいしい健康・共同CEOに就任。「正直、親切、笑顔、今日もていねいに」を信条とし、暮らしや仕事における、たのしさや豊かさ、学びについての執筆や活動を続ける。著書多数。雑誌連載、ラジオ出演、講演会を行う。中目黒のセレクトブックストア「COW BOOKS」代表でもある。

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